IGNの記事より。
2024年3月8日に発売されたユニコーンオーバーロードのローカライズについてSNSで議論が巻き起こっているのですが、そこにファイナルファンタジータクティクス(以下FFT)の松野氏が意見を述べたことがニュースになっています。
記事によると、ユニコーンオーバーロードのローカライズは文章の美しさや雰囲気を優先するあまり内容の正確さを犠牲にしていると書かれています。
例えば、クライブのセリフで「現在の戦力でルノーと戦うのは難しい」というセリフが英語版では「ルノーの足元にガントレットを投げても我々全員がすぐに墓場に送られるだけだ 」(”Casting the gauntlet at Renault’s feet would only send us all to an early grave.”)という翻訳になっているそうです。
その上で、翻訳は原作者の表現に忠実に従うべきなのか、それともターゲットのユーザ層に合わせて翻訳すべきかで意見が分かれていたようです。
これに対し、松野氏はどちらの主張も支持しないとした上で、ある程度の適応は必要(例えばジョークやユーモアなど直訳では伝わりにくいものは変えても問題ない)だが、それ以外の部分に対しては翻訳者は原作者と相談して決めるべきだと主張しています。
奇しくも日本ではドラマの脚本家と原作者の関係が最近問題になりましたがそれに通ずるものがあるように思います。
ちなみに松野氏のFFTといえば「家畜に神はいない」「恨むなら自分か神様にしてくれ」「知らないということはそれだけで罪」「今さら疑うものか!私はお前を信じる!」などなど非常に名言の多いことでも有名なタイトルですが、海外版はかつてはローカライズのひどさで悪名高いタイトルだったそうです。
タクティクスオウガも名言が多いですが大丈夫だったのでしょうか…
個人的にはFFTのアグリアスの「人の夢と書いて儚い..」がどう訳されていたのか気になります。
■海外の反応
これは非常に誤解を招きやすい。松野氏は「ユニコーンオーバーロードについてコメントしたのではなく、翻訳に関する一般的な指摘をしただけだ」と何度も述べている。
彼はユニコーンオーバーロードの翻訳を批判する意図はない、とはっきり言っている。
■海外の反応
ここにいる人たちの半分は記事を読んでいないし、彼自身のツイッターのアカウントもチェックしていないと思うが、彼は誰の味方でもなく、この話題について話せるのは当事者たちだけだと言った。
■海外の反応
松野ほどこの議論にふさわしい人物はいないよ。
FFTのローカライズが散々だった後、彼のゲームのほとんどはアレクサンダー・O・スミスによる素晴らしいローカライズが施されている。そしてそのほとんどが、松野が認めた、より詩的で古風な文章を採用していることも特筆すべきことだ。
ベイグラントストーリーやファイナルファンタジー12もローカライズがあれほどハードでなければ、こんなに記憶に残る作品にはならなかっただろう。
とはいえ、個人的にはこの議論にはうんざりしている。人生の大半をアニメ/JRPGファンとして過ごしてきた俺は、インターネットを使える年齢になって以来まったく同じ論点が繰り返されるのを見てきたから。
■海外の反応
もしヴァニラウェアがユニコーンオーバーロードの脚本(あるいはシナリオだけでも)を松野に任せていたら、本当に歴史的な瞬間になっていたと思う。ストーリーがこのゲームの最も弱い部分なのが残念だ。
僕の夢はヴァニラウェアがオウガバトルのライセンスを使わせてもらって、松野がシナリオを書き、スクウェアがパブリッシングすることだ(ただスクエニがマーケティングをするのはやめてほしい)。
松野は本当に面白い男で、いつも率直かつ雄弁に自分の意見を語ってくれる。僕はTwitterで彼と何度も素晴らしい議論を交わした。彼の仕事に少しでも興味があるなら、フォローする価値は十分にあるよ。
■海外の反応
なぜ多くのローカライズがキャラクターの性格を変えようとするのか理解できないよ。最悪だ。
それに、この作品にはスキルの誤訳がいくつもあり、スキルの振る舞いについて誤解を与えているんだ。
■海外の反応
ゲームを始めてから15時間経ったんだけど、問題なのは派手さを加えることではなく、その派手さの表現が本当に下手だということだ。
キャラクターが淡々と話すときと華やかさを加えるときがあってまったく一貫性がなく、キャラクターによってランダムに入れ替わる。
セリフの響きをかっこよくしたり、ユーモアを加えたりするために効果的に使うことはできるのに、翻訳者はシーンに関係なく思いついたときに適当に比喩を付け加え、思いつかないときは気にしなかったかのように感じる。
■海外の反応
松野はいつも雄弁で、ソーシャルメディアで彼をフォローすることをお勧めするよ。
個人的には、ユニコーンオーバーロードの翻訳はちょっとひどいと思う。翻訳者は文字数で給料をもらっているのだろうか。
■海外の反応
僕は松野に同意する。僕は、作者の意図を念頭に置いたり作者の了解を得たりするのであれば、より自由なローカライズでも構わないと思っている。しかし、それは本当にケースバイケースだ。
僕はドラゴンクエストのローカライズが大好きで、特に彼が言ったようにコメディやジョークは翻訳しにくいものだから。
しかし、文化の違いを理由に特定のセリフを削除したり大幅に変更したりするゲームもあり、そういうのはちょっと行き過ぎだと思う。その一方で、緻密に翻訳することでぎこちなく聞こえたり、退屈に聞こえたりすることもある。
すべてがFF14のようにローカライズチームと脚本チームが一緒に仕事をするわけではないのだろう。
ユニコーンオーバーロードはまだあまりプレイしていないが、花のような台詞が少しいい味を出してる。
■海外の反応
脚本にパンチを加えるのは構わないけど、翻訳がオリジナルの脚本の意図を誤って表現している部分は明らかにある。例えば、クライブが昔の同僚のアデルと再会するシーンではアデルの髪型に関するくだりが追加されている。衒学的であることは自覚しているが、かなり目立つ。
■海外の反応
みんな、文章にちょっとした散文を入れることにそんなに抵抗があるんだろうか?
この記事で挙げられている例は直訳の意味を変えるわけではないし、ちょっとしたスパイスに過ぎない。馬鹿げた「論争」だ。
■海外の反応
みんな、ローカライズをGoogle翻訳で済ませてほしいと思っているかのようだ。
直訳は最悪だよ。言語には、散文のタイプ、流れ、言葉の意味など色々あって言葉を1対1で変換するだけではだめで、適応しなければならない。
もしあなたが日本人なら、ユニコーンオーバーロードを素っ気ない退屈な文章だとは思っていないはずだ。
もちろん、文字の意図を尊重する必要はあるし、時には翻訳者のレベルが低いこともあるだろうが、99%はまったく問題ない。彼らがプロの翻訳者であるのには理由がある。
■海外の反応
西洋のプレイヤーは中世で少し華やかなものを好むことを知っている翻訳チームのようだ。
さほど問題なさそうに思う。同じ意味がそこにあるんだし。
しかし、このことがヴァニラウェアと翻訳者の間でどう話し合われなかったのか、理解できないというのは認めるよ。
でも、意味そのものが変更されるような翻訳とはまったく異なるし、そっちの方がはるかに問題だよ。
■海外の反応
もし、松野氏がFF12の開発途中で体調を崩さず、スクエニで権力の座にとどまっていたらどうなっていたか。彼はFF全体を監督する坂口氏の後継者だった。
ベイクラントストーリーの続編かリメイクで、ソウルライクのような戦闘を現代風にアレンジしたものがあれば言うことないんだが。
■海外の反応
ストーリーが唯一の弱点だとしたら、このゲームは完璧だ。ゲームにとってストーリーは常にサービス的であるべきだ。ゲームプレイがすべて。
管理人
スカイリムやフォールアウト4の初期は翻訳が無茶苦茶で結局英語のままプレイした記憶があります。一方でウィッチャー3の日本語ローカライズは絶賛されていました。